自閉症の「低機能」と「高機能」の違いとは?ASDのレベルと支援の考え方

発達が気になる子の学び支援

「“高機能”って、頭がいいってこと?得意なことはすごいの?」
「“低機能”だと重いってこと?支援がたくさん必要なのかな…」
そんなふうに思ったことはありませんか?

自閉スペクトラム症ASD)について調べていると、「高機能」「低機能」という言葉が出てくることがあります。
一見わかりやすそうな表現ですが、実はその裏には、誤解や偏見につながりやすい側面もあります。

たしかに「高機能」と言われる子の中には、特定の分野でとても優れた能力を持っている子もいます。でもそれがイコール「困りごとが少ない」「支援がいらない」というわけではありません。逆に「低機能」と言われる場合でも、安心して生活できる環境が整えば、その子のペースでしっかり成長できることも多いのです。

この記事では、「高機能」「低機能」という言葉の意味や、その背景にある考え方、そして今の時代に合ったASD支援のあり方について、わかりやすく解説していきます。


そもそも「高機能」「低機能」って何のこと?

高機能自閉症」「低機能自閉症」という言葉は、知的障害の有無によって分けられることが多いです。

  • 高機能自閉症(現在はあまり使われない)
     → 知的障害をともなわないASD
     → 言葉が話せる子も多く、学力が高い場合も
     → でも、対人関係や感覚過敏などの困りごとが大きいことも

  • 低機能自閉症(現在は表現に注意が必要)
     → 知的障害をともなうASD
     → 言葉の遅れが見られたり、日常生活のサポートが必要なことが多い

最近では、「高機能・低機能」といったラベリングは避けられる傾向にあり、ASDの支援ニーズのレベル”や“個々の困りごと”に注目することが主流になっています。


現在の診断では「ASDレベル1〜3」で表すことも

アメリカ精神医学会の診断基準「DSM-5」では、ASD支援の必要度によってレベル1〜3に分類されます。

レベル 特徴 支援の必要度
レベル1 軽度(以前の高機能) サポートがあれば自立も可能
レベル2 中等度 一定の支援が常時必要
レベル3 重度(以前の低機能) 多くの場面で手厚い支援が必要

このように、今は「機能」よりも、「その子がどのくらい支援を必要としているか」に注目した支援が求められています。


高機能でも困りごとは深刻な場合も

「高機能」と呼ばれる子どもたちは、一見普通に見えることも多いです。ですが、

  • 空気が読めない

  • 感覚が過敏(音やにおいに過剰に反応)

  • 集団行動が苦手

  • 予定の変更にパニックになる

といった困難を抱えていることがあり、周囲から理解されにくいことが問題になります。

一方で、学習面での強みやこだわりを活かして得意分野で力を発揮することもあります。


支援の違いは「生活の困りごと」によって決まる

機能や知的発達だけでなく、生活の中でどんな困りごとがあるかによって支援内容は異なります。

例えば:

  • 言葉の遅れがある子 → 言語療法や視覚支援

  • 対人関係が苦手な子ソーシャルスキルレーニング(SST

  • 学校生活が難しい子 → 通級指導教室や特別支援学級

  • 親の支えが必要な子 → 児童発達支援や放課後等デイサービス

その子に合ったサポートを受けることで、無理なく成長できる環境が整っていきます。


おわりに:ラベルよりも「その子らしさ」を大切に

「高機能」「低機能」といった言葉に惑わされず、お子さんの困りごとと強みに目を向けることが大切です。

発達の特性は十人十色。必要な支援は一人ひとり違います。専門機関のサポートや地域の制度をうまく活用しながら、「うちの子らしい」成長を一緒に見守っていきましょう。

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