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発達障害の子が不登校になったら|親の対応と学びの選択肢・出席扱い制度

発達障害の子が不登校になったら|親の対応と学びの選択肢・出席扱い制度

※本記事にはプロモーション(広告)が含まれる場合があります。


「朝になると体調を崩して、学校に行けない日が続いている」
「無理に行かせるべきなのか、休ませていいのか分からない」

発達に特性のある子が学校に行けなくなったとき、親が最初にぶつかるのはこの迷いです。休ませれば勉強が遅れる。行かせれば本人が壊れるかもしれない。どちらを選んでも不安が残ります。

結論から言えば、まず必要なのは「登校させること」ではなく「消耗を止めること」です。そのうえで、学びを止めない方法を選んでいきます。学びの手段は学校以外にも複数あり、条件を満たせば自宅での学習を出席扱いにできる制度もあります。

この記事では、発達障害の子が不登校になりやすい理由から、親がまずやること、学びの選択肢の比較、出席扱い制度の要件までを順に整理します。


不登校は今どれくらいいるのか

まず知っておいてほしいのが、不登校は例外的な状況ではないということです。

文部科学省の令和6年度の調査によると、小・中学校の不登校児童生徒数は約35万4千人で過去最多となり、12年連続で増加しています。内訳は小学校が約13万8千人、中学校が約21万6千人。高等学校は約6万8千人で、こちらは前年度から減少しました。

もう一つ重要な数字があります。学校内外のどこからも専門的な支援を受けていない児童生徒が約13万6千人いるということです。つまり、不登校になった子の多くが支援につながらないまま家庭に留まっています。

この記事の目的は、まさにここです。「休む」と決めた次に、どこにつなぐかを知っておくことが、その後を大きく左右します。

出典:文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」


発達障害の子が不登校になりやすい理由

発達に特性のある子の場合、「学校が嫌い」という単純な話ではないことがほとんどです。特性ごとに、消耗のしかたが違います。

特性 学校でつまずきやすい場面
感覚過敏 チャイム・ざわめき・給食のにおい・体育館の反響音などで消耗する。教室にいるだけで疲れ切る
こだわり・見通しの必要性 時間割変更、行事、避難訓練など予定外の出来事に対応できず、不安が蓄積する
対人関係の難しさ 暗黙のルールや冗談が読み取れず、トラブルや孤立につながる
不注意・多動 忘れ物や離席を繰り返し叱られ続け、自己評価が下がる
学習面の困難 読み書き・計算に特異的な困難があり、努力しても成果が出ない状態が続く
疲れやすさ 集団生活そのものに定型発達の子より多くのエネルギーを使い、家に帰ると動けない

共通しているのは、本人が怠けているわけでも、学校が特別ひどいわけでもないという点です。環境と特性の組み合わせが合っていないために消耗が起きています。

そして重要なのが、「行けなくなる」のは限界のサインとして最後に出てくるということ。その前に、朝の腹痛、頭痛、寝つきの悪さ、家での荒れ、といった形で兆候が出ていることが多くあります。


親がまずやること3つ

① まず消耗を止める

行き渋りが続いている段階で無理に登校を続けさせると、回復に時間がかかりやすくなります。まずは休ませて、エネルギーが戻る状態を作るのが最初の一手です。

この時期に「勉強が遅れる」と焦る気持ちは当然ですが、消耗しきった状態では何を用意しても入りません。学習の話は、生活リズムと体調が戻ってきてからで間に合います。

② 原因を一つに決めつけない

「いじめがあったのでは」「勉強についていけないのでは」と原因を特定したくなりますが、多くの場合は複数の要因が積み重なっています。本人にも言語化できないことが多く、問い詰めると余計に話さなくなります。

聞き出すより、いつ・どんな場面でしんどくなるかを観察して記録するほうが有効です。この記録は、後で学校や専門機関と話すときの材料にもなります。

③ 家庭だけで抱えず、外部の相談先を確保する

先ほどの調査で「支援を受けていない子が約13万6千人」という数字を挙げました。ここに入らないために、早い段階で相談先を持っておきます。

  • スクールカウンセラー…学校内で相談できる。子ども本人も利用できます
  • スクールソーシャルワーカー…学校と福祉をつなぐ専門職。制度利用の調整に強い
  • 教育支援センター(適応指導教室)…自治体が設置する不登校の子の通所施設
  • 発達障害者支援センター…特性に応じた対応の相談ができる
  • かかりつけ医・主治医…体調面の評価と、診断書が必要な場合の相談先

学校とどう話すか

学校とのやり取りは、「行けるかどうか」の話に終始しがちです。そこから抜け出すために、親のほうから話す議題を用意していくのがおすすめです。

  • 登校の可否ではなく「配慮の中身」を話す…別室登校、給食なしの短時間登校、行事のみの参加など、部分的な選択肢を具体的に提案する
  • 合理的配慮として相談する…感覚過敏へのイヤーマフ使用、課題量の調整など、特性に対する配慮は要望として出してよい事柄です
  • 出欠の扱いを早めに確認する…後述する出席扱い制度は校長の判断が必要なので、検討するなら早めに話題に出しておく
  • 記録を共有する…どんな場面で消耗するかの観察メモは、学校側も対応を検討しやすくなります
  • 窓口を一本化する…担任・学年主任・特別支援コーディネーターなど、誰に何を相談するかを整理しておく

在籍している学級の形態によって使える配慮も変わります。支援級・通級を含めた学びの場の選択肢は、こちらにまとめています。


学びの選択肢を比較する

「学校に行けない=学べない」ではありません。主な選択肢を比較すると次のようになります。

選択肢 費用の目安 出席扱い 特徴
教育支援センター
(適応指導教室)
公的機関のため原則無料 されることが多い 自治体が設置。学校復帰を視野に入れた通所支援。定員や設置状況に地域差あり
フリースクール 民間のため施設ごとに異なる 校長の判断による 民間の居場所。方針は施設ごとに大きく異なるため見学が必須
オンライン学習・
オンライン家庭教師
サービスにより異なる 要件を満たせば可能 自宅から受けられる。人と会う負担が少ない。学習の遅れに直接対応できる
別室登校・
短時間登校
なし される 在籍校とのつながりを保てる。教室に入れない段階の現実的な選択肢
訪問支援 制度により異なる されることが多い 家から出られない段階でも支援を受けられる

選ぶときの軸は「今の本人がどの段階にいるか」です。

  • 家から出られない段階…オンライン・訪問支援。まずは家の中で完結する手段
  • 外出はできるが学校は無理な段階…教育支援センター、フリースクール
  • 学校に行けるが教室が無理な段階…別室登校、短時間登校

段階を飛ばして「まず学校に戻す」を目標にすると、失敗体験を重ねてしまいます。今いる段階の一つ隣から選ぶのが現実的です。

オンライン学習という選択肢

発達特性のある子の場合、オンライン学習には特性上の相性の良さがあります。感覚刺激の少ない自宅で受けられること、対人のやり取りが最小限で済むこと、自分のペースで進められること——集団授業でつまずいていた要因の多くが、そもそも発生しません。

学年にとらわれず戻って学び直せる「無学年式」の教材は、学習の遅れが出ている場合や、特定の分野だけつまずいている場合に選ばれています。教材ごとに特徴が異なるため、比較してから選ぶのがおすすめです。

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学年を戻って学び直せる無学年式教材を見てみる

「すらら」は小1から高3まで学年をまたいで戻れる無学年式の教材です。公式サイトに出席扱いの相談窓口と各地の事例が公開されているため、要件を検討する段階でも情報を集めやすくなっています。

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他の教材との比較や、不登校専門の個別指導については、それぞれ詳しい記事があります。


自宅学習を出席扱いにする制度

不登校の子が自宅でICT等を活用した学習を行った場合、一定の要件を満たせば、指導要録上の出席扱いにできるという文部科学省の取り扱いがあります。

示されている要件は次の7つです。

要件 内容
① 保護者と学校の連携 保護者と学校との間に十分な連携・協力関係が保たれていること
② 学習の手段 ICT(パソコン・インターネット・遠隔教育システム等)や郵送、FAXなどを活用して提供される学習活動であること
③ 対面指導 訪問等による対面指導が適切に行われることが前提。定期的かつ継続的に行われること
④ 計画性 本人の学習の理解の程度を踏まえた計画的な学習プログラムであること
⑤ 校長の状況把握 校長が対面指導や学習活動の状況を、定期的な報告や連絡会などで十分に把握していること
⑥ 他機関との関係 学校外の公的機関や民間施設で相談・指導を受けられないような場合の学習であること
⑦ 評価 学習成果を評価に反映する場合は、学校の教育課程に照らし適切と判断されること

実務上つまずきやすいのは、③の対面指導と⑤の校長の把握です。教材を契約すれば自動的に出席扱いになるわけではなく、学校側の関与が前提になっています。

したがって、進め方としては次の順番になります。

  1. 担任・管理職に「出席扱いの制度を検討したい」と相談する
  2. 使う教材・サービスと、学習計画の内容を共有する
  3. 対面指導の方法(家庭訪問、別室での面談など)を学校と決める
  4. 学習状況の報告方法と頻度を決める
  5. 校長の判断を得る

最終的な判断は校長が行います。同じ教材を使っていても学校によって結論が変わるのはこのためです。断られた場合も、要件のどこが満たせていないのかを具体的に確認すると、次の手が見えてきます。

出典:文部科学省「不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱いについて」


環境そのものを変える選択肢

ここまでは「今の学校に在籍したまま」を前提にした話でしたが、環境そのものを変えたほうが早い場合もあります

  • 支援級・通級への変更…人数が少なく刺激の少ない環境に移ることで、通えるようになるケースがあります。年度途中でも相談は可能です
  • 転校…対人トラブルが原因の場合、環境を変えることが有効なことがあります
  • 特別支援学校への転学…障害の状態によっては選択肢になります
  • 中学卒業後の進路…通信制高校・サポート校・定時制など、学び方の自由度が高い選択肢があります

「学校に戻す」ことだけを目標にすると選択肢が狭くなります。本人が消耗せずに学べる場所を探すという枠で考えると、取れる手は増えます。

▶ 卒業後の進路まで見通したい方は:障害の重さで進路はどう変わる?親の自由時間も含めてリアルに解説


よくある質問

Q. 無理にでも学校に行かせたほうがいいですか?

行き渋りが続いている段階で無理に登校を続けさせると、消耗が進んで回復に時間がかかることがあります。まずは休ませて体調と生活リズムを戻し、そのうえで別室登校や短時間登校など段階的な選択肢を検討するほうが現実的です。ただし状況は一人ひとり違うため、スクールカウンセラーや主治医など、本人の状態を見ている専門家に相談しながら判断してください。

Q. 家で勉強すれば出席扱いになりますか?

自動的にはなりません。文部科学省が示す7つの要件を満たし、校長が認めた場合に限り出席扱いにできる取り扱いです。特に「訪問等による対面指導が適切に行われること」「校長が学習状況を十分に把握していること」が求められるため、学校と連携せずに教材だけ契約しても要件は満たせません。検討する場合は、早い段階で学校に相談してください。

Q. 発達障害の診断がないと支援は受けられませんか?

不登校の支援自体は、診断の有無にかかわらず受けられます。教育支援センターやスクールカウンセラーの利用に診断は必要ありません。ただし、特性に応じた合理的配慮を学校に求める場面では、診断や検査結果があると話が具体的になりやすいのは事実です。発達の特性が疑われる場合は、並行して相談を進めておくとよいでしょう(診断がつくまでの流れはこちら)。

Q. 勉強の遅れが心配です。いつから再開すべきですか?

消耗しきった状態では学習内容が入らないため、まずは体調と生活リズムの回復が先です。目安としては、本人が家庭内で穏やかに過ごせるようになり、興味のあることに取り組む余力が戻ってきたころが再開のタイミングになります。再開時は学年通りに進めるのではなく、つまずいた地点まで戻れる無学年式の教材のほうが定着しやすい傾向があります。


まとめ|学校に戻すことがゴールではない

  • 不登校は小・中学校で約35万4千人。例外的な状況ではない
  • 発達特性のある子は、感覚過敏・見通しの必要性・対人面などで環境と合わずに消耗している
  • 親がまずやることは①消耗を止める ②原因を決めつけない ③外部の相談先を確保する
  • 学校とは「行けるかどうか」ではなく「どんな配慮が可能か」を話す
  • 学びの選択肢は複数ある。今いる段階の一つ隣を選ぶ
  • 自宅学習の出席扱いは7要件+校長の判断。教材契約だけでは成立しない

不登校の対応でいちばん難しいのは、「戻すこと」を目標から外す判断だと思います。ただ、学びの手段が複数あり、出席の扱いにも道がある以上、学校に通うこと自体は目的ではなく手段です。

本人が消耗せずに学べる場所はどこか。その問いに切り替えたときから、選べる手は増えていきます。

※制度に関するご注意
本記事に記載の制度内容は、執筆・更新時点の情報です。運用は自治体や学校により異なる場合があります。出席扱いの可否は在籍校の校長の判断となるため、最新の情報と個別の対応は必ず学校・教育委員会にご確認ください。

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