障害者グループホームとは?親なきあとに備える費用・種類・入居の流れ
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障害のある子を育てていると、ふとした瞬間にこの不安が頭をよぎります。
「自分がいなくなったら、この子はどこで暮らすんだろう」
考えるのがつらくて、後回しにしてしまうテーマです。でも、その受け皿としてまず候補になるのがグループホーム(共同生活援助)で、これは親が元気なうちにしか動けない準備でもあります。
この記事では、グループホームとはどんな場所なのか、3つの種類の違い、月々いくらかかるのか、そして入居までにどう動けばいいのかを整理します。
先に要点をまとめると次のとおりです。
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グループホームは数人で共同生活しながら、必要な支援を受けて暮らす住まい
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種類は3つ。重度で常時介護が必要な方向けの類型もある
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費用は家賃・食費・光熱費などの実費が中心。非課税世帯には月1万円の家賃補助がある
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希望してすぐ入れるとは限らない。体験利用から始めて時間をかけて慣れていくのが一般的
目次
- グループホームとは
- グループホームの3つの種類
- 対象になる人
- 費用はいくらかかるのか
- 入居までの流れ
- いつから動き出すべきか
- 見学で確認したいこと
- 親なきあとに向けて併せて考えたいこと
- まとめ
- よくある質問
グループホームとは
グループホームは、制度上の正式名称を「共同生活援助」といい、障害者総合支援法にもとづく障害福祉サービスのひとつです。
障害のある方が数人で共同生活を送りながら、世話人や支援員から食事・入浴・排せつの介助や、日常生活の相談・助言を受けられる住まいです。日中は仕事や生活介護などに通い、朝晩をグループホームで過ごすという生活が基本の形になります。
施設というより「支援のある家」に近いイメージで、一軒家やアパートの一室を使っているところが多いのが特徴です。原則として個室が用意され、食堂や浴室などを共同で使います。
入所施設との大きな違いは、地域の中で暮らしながら支援を受けるという点です。買い物に行ったり、地域の行事に参加したりといった生活を続けやすい形になっています。
グループホームの3つの種類
グループホームは、介護をどう提供するかによって3つの類型に分かれます。本人に必要な支援の量によって選ぶ場所が変わるため、ここは押さえておきたいポイントです。
| 類型 | 介護サービスの提供方法 | 向いている方 |
|---|---|---|
| 介護サービス包括型 | ホームの職員が介護を提供する | 日常的な介助が必要な方。最も一般的な類型 |
| 外部サービス利用型 | ホームが契約した外部の居宅介護事業者が介護を提供する | 介護の必要度が比較的低く、日中は就労や通所をしている方 |
| 日中サービス支援型 | ホームの職員が昼夜を通じて介護を提供する | 常時介護が必要な重度の方。日中もホームで過ごせる |
特に日中サービス支援型は、重い障害のある方の「親なきあと」の受け皿として注目されている類型です。日中の活動に通うことが難しい場合でも、ホームの中で支援を受けながら過ごせます。
ただし、どの類型が近隣にあるかは地域差が大きいのが実情です。特に日中サービス支援型はまだ数が限られています。
対象になる人
厚生労働省の定義では、対象は「障害者」とされています。障害者総合支援法では18歳以上を障害者と位置づけているため、実質的には18歳以上が対象です。
身体障害のある方については、「65歳未満の者、または65歳に達する日の前日までに障害福祉サービス等を利用したことがある者」という条件が付いています。65歳以降に初めて支援が必要になった場合は、介護保険のサービスが基本になるためです。
障害の種別は問われず、身体・知的・精神・発達障害のいずれの方も対象になります。ただしホームごとに受け入れている障害種別や支援の得意分野が異なるため、実際に入居できるかは個々のホームとの相談になります。
また、利用には障害福祉サービス受給者証が必要です。障害支援区分の認定が必要になる場合もあるので、市区町村の障害福祉担当窓口で確認してください。
費用はいくらかかるのか
グループホームの費用は、大きく①障害福祉サービスの利用料と②家賃・食費などの実費の2つに分かれます。
①障害福祉サービスの利用料
サービス利用料は原則1割負担で、世帯の所得に応じて負担上限月額が決まります。
| 区分 | 世帯の状況 | 負担上限月額 |
|---|---|---|
| 生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0円 |
| 低所得 | 市町村民税非課税世帯 | 0円 |
| 一般2 | 市町村民税課税世帯 | 37,200円 |
ここで2つの重要なポイントがあります。
1つめ。18歳以上(施設入所の18・19歳を除く)は、世帯の範囲が「本人と配偶者」です。親の収入は判定に含まれません。本人に収入がなければ市町村民税非課税となり、サービス利用料の負担上限は0円になるケースが多くなります。
2つめ。一般的な障害福祉サービスには「一般1(9,300円)」という区分がありますが、グループホーム利用者はこの区分から除かれます。そのため課税世帯に該当する場合は、9,300円ではなくいきなり37,200円になります。本人に一定の収入がある場合は、この差を見ておく必要があります。
②家賃・食費などの実費
実際の負担の中心はこちらです。サービス利用料とは別に、生活にかかる実費(特定費用)を負担します。
| 項目 | 月額の目安 |
|---|---|
| 家賃 | 3万〜5万円程度(地域差が大きい) |
| 食費 | 2万〜3万円程度(3食提供の場合) |
| 光熱水費・日用品費 | 1万〜2万円程度 |
| 合計の目安 | 月6万〜10万円程度 |
※あくまで一般的な目安です。地域とホームによって差が大きいため、実際の金額は必ず個別のホームにご確認ください。
このほか、入居時の敷金など初期費用がかかるホームもあります。
家賃補助(特定障害者特別給付費)
負担を軽くする制度として、特定障害者特別給付費(補足給付)があります。
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支給額:月額1万円(家賃が1万円未満の場合は実際の家賃額)
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対象:生活保護受給者・市町村民税非課税世帯の方
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受け取り方:多くの場合、事業所が代理受領し、家賃から差し引いた額が請求されます
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注意点:毎年7月の負担上限月額の見直しに合わせて再認定が必要です
さらに、自治体が独自に家賃補助を上乗せしているケースもあります(市区町村独自の助成制度)。国の1万円だけで判断せず、お住まいの自治体に上乗せ制度があるか必ず確認してください。
本人に障害基礎年金が入っていれば、年金と工賃・賃金を合わせて費用をまかなえるかどうかが、現実的な検討の出発点になります。
入居までの流れ
一般的な流れは次のとおりです。
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市区町村の障害福祉担当窓口・相談支援事業所に相談——地域のホームの情報を得る
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受給者証の申請・障害支援区分の認定——必要に応じて調査を受ける
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見学——複数のホームを見る
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体験利用——数日〜数週間の宿泊を試す
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契約・入居
この流れで最も大切なのが4の体験利用です。環境の変化が苦手な方にとって、いきなりの入居はハードルが高くなります。短期入所(ショートステイ)から始めて、家以外で寝泊まりすることに少しずつ慣れていくという進め方が現実的です。
また、希望すればすぐ入れるとは限りません。地域によっては空きが出るまで待つことになります。特に日中サービス支援型や、重度の方を受け入れられるホームは数が限られています。
いつから動き出すべきか
「まだ早い」と思いがちですが、次の3つの理由から親が元気なうちに動き始めることをおすすめします。
理由1:慣れるのに時間がかかる
体験利用や短期入所を重ねて慣れていくには、年単位の時間がかかることがあります。緊急事態が起きてから探すのでは、本人の負担が大きくなります。
理由2:空きを待つ必要がある
希望のホームに空きがなければ待つことになります。情報を早く集めておくほど、選択肢が広がります。
理由3:親が本人の様子を見て判断できる
これが最も大きい理由です。親が元気なうちに入居すれば、そこでの暮らしが本人に合っているかを親自身の目で確認でき、合わなければ変えることもできます。親がいなくなってから初めて入る形だと、この確認ができません。
実際に、高等部を卒業して日中の進路が決まったタイミングで、グループホームの見学や短期入所を並行して始める家庭は少なくありません。「入居させる」ことを今すぐ決める必要はなく、情報を集めて選択肢を持っておくところから始められます。
見学で確認したいこと
ホームごとの差が大きいサービスです。次の点を確認しておくと判断しやすくなります。
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類型——包括型・外部サービス利用型・日中サービス支援型のどれか
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夜間の職員体制——夜勤か宿直か、職員は常駐しているか
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受け入れている障害種別と支援の実績——本人と近い状態の方が生活しているか
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費用の全体像——家賃・食費・光熱費・その他の実費と、初期費用
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個室かどうか、鍵はあるか
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日中の過ごし方——日中の通所先が必須か、体調不良で休む日はどうなるか
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医療的ケアや服薬管理への対応
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通院時の付き添い——誰が対応するのか
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帰省や外泊のルール
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体験利用・短期入所ができるか
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今後の空き状況の見通し
特に夜間の体制と通院の付き添いは、親が担ってきた部分がそのまま論点になるところです。見落としやすいので必ず聞いておきましょう。
親なきあとに向けて併せて考えたいこと
住まいの確保はあくまで一部分で、「親なきあと」の備えには他にも論点があります。
お金の管理を誰がするか——年金や工賃の管理、契約行為をどうするかという問題があります。成年後見制度や、社会福祉協議会の日常生活自立支援事業といった仕組みがあります。
きょうだいに負担が集中しないようにする——グループホームという選択肢を持っておくこと自体が、きょうだいに介護を引き継がせないための備えになります。きょうだい児の気持ちについては別記事で解説しています。
お金を残すしくみ——心身障害者扶養共済制度など、親なきあとに本人へ年金を残す制度もあります。
いずれも一度に決められるものではありません。グループホームの情報収集は、その中でいちばん早く着手できる部分です。
まとめ
障害者グループホーム(共同生活援助)について、押さえておきたい点をまとめます。
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数人で共同生活しながら支援を受ける「支援のある家」。原則18歳以上が対象
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類型は介護サービス包括型・外部サービス利用型・日中サービス支援型の3つ。重度の方には日中サービス支援型がある
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費用は実費が中心で月6万〜10万円程度が目安。非課税世帯には月1万円の家賃補助があり、自治体独自の上乗せもある
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18歳以上は親の収入が利用料判定に含まれない。ただしグループホーム利用者は「一般1」の区分から除かれる点に注意
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体験利用・短期入所から時間をかけて慣れるのが一般的。親が元気なうちに動き始めるのが現実的
すぐに入居を決める必要はありません。まずは地域にどんなホームがあるかを知るところから始めてみてください。
よくある質問
Q. グループホームは何歳から入れますか?
A. 障害者総合支援法にもとづくサービスで、同法は18歳以上を「障害者」としているため、実質的には18歳以上が対象です。なお身体障害のある方については、65歳未満の方、または65歳に達する日の前日までに障害福祉サービス等を利用したことがある方、という条件が付いています。
Q. グループホームの費用は月いくらかかりますか?
A. 家賃3万〜5万円、食費2万〜3万円、光熱水費・日用品費1万〜2万円で、合計月6万〜10万円程度が一般的な目安です(地域とホームによる差が大きい数値です)。これに加えて障害福祉サービスの利用料がありますが、本人が市町村民税非課税であれば負担上限は0円です。さらに非課税世帯には月1万円の家賃補助(特定障害者特別給付費)があります。
Q. 利用料の判定に親の収入は影響しますか?
A. 18歳以上(施設入所の18・19歳を除く)は世帯の範囲が「本人と配偶者」となるため、親の収入は含まれません。ただしグループホーム利用者は「一般1(9,300円)」の区分から除かれるため、本人が課税世帯に該当する場合は37,200円になります。判定は自治体が行うので、詳細はお住まいの市区町村にご確認ください。
Q. 希望すればすぐ入居できますか?
A. 地域によっては空きを待つ必要があります。特に日中サービス支援型や重度の方を受け入れられるホームは数が限られています。また多くの場合、体験利用や短期入所を重ねて慣れてから入居する流れになるため、時間に余裕を持って動くことが大切です。
Q. 親なきあとの準備はいつから始めればいいですか?
A. 高等部卒業後の進路が決まるタイミングで、見学や短期入所を並行して始める家庭が多くあります。親が元気なうちに入居すれば、その暮らしが本人に合っているかを親自身の目で確認でき、合わなければ変えることもできます。すぐに入居を決める必要はなく、情報を集めて選択肢を持っておくところから始められます。
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出典・参考(公式サイト)
※制度・金額に関するご注意
本記事に記載の金額や制度内容は、執筆・更新時点の情報です。特に家賃・食費などの費用は地域とホームによる差が非常に大きく、記載の金額はあくまで一般的な目安です。自治体独自の家賃補助の有無も地域によって異なります。最新の情報は必ずお住まいの市区町村の窓口や入居を検討しているホームでご確認ください。