障害児のチャイルドシートが合わない|車の座位保持シートと補助金
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子どもが大きくなってきて、「チャイルドシートのサイズが合わなくなってきた」。でも、普通のジュニアシートに切り替えるには姿勢が不安定で心配——。
わが家がまさにこの状態でした。そこで使うことにしたのが、車の座席に取り付けて姿勢を支えるタイプの用具です。制度上は現在「車載用姿勢保持装置」と呼ばれていて、補助を使って用意することができました。
この記事では、実際に使っていた立場から、選び方・補助のしくみ・取り付けの実際・使ってみて困ったことをまとめます。今は使っていません。体幹がしっかりして落ち着いてきたので、市販のジュニアシート(ブースター)と車のシートベルトで足りるようになったからです。
そして制度の面でも大きな動きがありました。2025年4月にこの品目が新しく設けられ、あわせて「18歳未満まで」という年齢のしばりがなくなりました。大人になっても使えるようになった、ということです。
- チャイルドシートが合わなくなったときの選択肢
- 車載用姿勢保持装置とは|2025年4月に新設された品目
- どうやって選んだか|展示会で実物に座らせてもらう
- わが家が選んだのは「キャロット3」でした
- 費用と補助のしくみ
- 取り付けは自分でできた|バックル2か所だけ
- 使ってみて困ったこと|車が2台あると使い回せない
- いつまで使う?|ブースターへ卒業した話
- よくある質問
- おわりに
- おすすめ関連記事
チャイルドシートが合わなくなったときの選択肢
市販のチャイルドシートには対象体重・身長の目安があり、成長するとどうしてもサイズが合わなくなります。わが家も、使えなくなった理由はシンプルに「サイズが合わなくなった」ことでした。
定型発達のお子さんなら、ここで背もたれ付きのジュニアシートやブースターに切り替えていく流れになります。ただ座った姿勢を保つのが難しいお子さんの場合、市販のジュニアシートは体を支える機能がほとんどないため、そのまま移行するのが不安という状況が起こります。
そこで出てくるのが、車の座席に取り付けて姿勢を支える専用の用具という選択肢です。市販のチャイルドシートとは違い、体を支えるパッドなどで姿勢を保てるように作られています。
💡「うちの子はまだ小さいけれど、そもそも普通のチャイルドシートで姿勢が崩れてしまう」という場合も、同じ用具が選択肢になります。サイズだけでなく姿勢の問題でも相談できます。
車載用姿勢保持装置とは|2025年4月に新設された品目
ここは制度の話ですが、知らないと損をする部分なのでぜひ読んでください。
車に取り付けて姿勢を支えるこうした用具は、以前は「座位保持椅子」という品目で支給されることが多くありました。ところが2025年(令和7年)4月1日から、「座位保持椅子」は品目一覧からなくなり、代わりに「車載用姿勢保持装置」という品目が新しく設けられました。
この変更でいちばん大きいのは、次の点です。
| 2024年度まで(座位保持椅子) | 2025年4月以降(車載用姿勢保持装置) | |
|---|---|---|
| 対象年齢 | 18歳未満のみ | 年齢の制限なし |
| 上限額 | 自治体の一覧により異なる | 69,900円 |
| 耐用年数 | 3年 | 3年 |
つまりこれまで18歳になると対象から外れていたものが、大人になっても支給を受けられるようになりました。通院や移動で車が欠かせないご家庭にとっては、かなり大きな変更です。
もともとこの改正は、「座位保持椅子」として支給されていたものの多くが、実際には車に載せる用途で使われていたことを踏まえて行われたものです。実態に合わせて品目を独立させ、年齢の区切りをなくした、という整理になっています。
⚠️改正がまだ新しいため、自治体が配布している品目一覧に「座位保持椅子」が残ったままのケースがあります。窓口では品目名にこだわらず、「車に乗せるときに姿勢を支える用具が必要」と用途で相談するのが確実です。
どうやって選んだか|展示会で実物に座らせてもらう
わが家は福祉用具の展示会に行き、実物に実際に座らせてもらって選びました。家の中で使う椅子を選んだときと同じ方法です。
車に載せるものは、カタログの写真だけではサイズ感がまったくつかめません。実物を見ておくと「これは自分の車に載るのか」という判断がしやすくなります。
わが家が選んだのは「キャロット3」でした
参考までに、わが家が選んだのは「キャロット3(CARROT3)」という障害児用チャイルドシートです(株式会社シーズ)。この分野ではよく名前の挙がる製品で、展示会でも実物を見ることができました。
メーカーの情報によると、次のような仕様になっています。
- 適用の目安:2〜15歳程度/体重10〜49kg
- 安全基準:ヨーロッパ基準(ECE R44/04)、米国基準(FMVSS No.213)、FAA(米国)の認証を取得
- 取り付け先:後部座席のほか、助手席・通学バス・航空機のシートにも取り付け可能
- リクライニング:車のシートに連動して倒れる仕組み
💡FAAの認証があるものは飛行機の座席にも取り付けられるとされています。旅行や帰省で飛行機を使うご家庭には、知っておくと選択肢が広がる情報かもしれません。実際の可否は航空会社によって取り扱いが異なるので、事前の確認をおすすめします。
もちろん、お子さんに合うかどうかは体格や姿勢の状態によります。これが正解というものではないので、必ず実物を試して、専門職の方の意見を聞いてから決めてください。
実物を見るときに確認したいこと
使ってみた経験から、先に見ておくとよかったと感じる点を挙げます。
- 本体の大きさ:後部座席にどれくらいの幅を占めるか。ほかの人が隣に座れるか
- 座らせたときの支えられ方:横に倒れないか、前にずり落ちないか
- 取り付け方法:シートベルト式か、金具で留めるタイプか
- 乗せ降ろしのしやすさ:毎日のことなので、抱き上げる高さや角度は重要です
- 車を買い替えたときに使えるか:車種を選ぶタイプかどうかを聞いておくと安心です
💡展示会では業者さんや義肢装具士さんにその場で質問できます。療育やリハビリの先生に「近くで展示会はありませんか」と聞いてみると、情報を持っていることがあります。
費用と補助のしくみ
この用具は補装具費支給制度の対象です。自己負担は原則1割で、世帯の所得に応じて月額の負担上限額が設けられています。
わが家も補助を使って用意しました。ほかの用具とあわせて手続きをしたので、車載用だけの金額として記憶しているわけではないのですが、上限額の範囲でおさまる負担で用意できました。
制度の全体像と負担上限額については、こちらでくわしく解説しています。
家の中で使う椅子とは「別の品目」として相談できます
知っておくと役に立つポイントです。「姿勢保持装置」(家の中などで使うもの)と「車載用姿勢保持装置」は別の品目とされているため、それぞれ1つずつ支給を受けることが可能とされています。
では、同じものを2つ支給してもらうことはできるのでしょうか。国の通知には、次のように書かれています。
補装具費の支給対象となる補装具の個数は、原則として1種目につき1個であるが、身体障害者・児の障害の状況を勘案し、職業又は教育上等特に必要と認めた場合は、2個とすることができること。
出典:厚生労働省「補装具費支給事務取扱指針について」(平成18年9月29日 障発第0929006号)第2の1(4)
つまり2個になる可能性はありますが、条件は「職業又は教育上等特に必要」と認められることです。ここは正直にお伝えしておきたいのですが、「車が2台あって不便だから」という理由だけで認められるとは限りません。
一方で、通学や通所での送迎、保護者の就労にともなう送り迎えといった事情は、教育上・職業上の必要性として説明できる可能性があります。最終的に判断するのは自治体や更生相談所なので、「なぜ2つ必要なのか」を生活の実態に沿って具体的に説明できるかどうかがポイントになります。
取り付けは自分でできた|バックル2か所だけ
「車に固定する用具」と聞くと、業者さんに来てもらって取り付けてもらうものを想像するかもしれません。でもわが家の場合は、自分で取り付けられました。
やることは座席の後ろ側でバックルを2か所留めるだけ。想像していたよりずっと簡単で、拍子抜けしたくらいです。
💡取り付け方法は製品によって異なります。安全に関わる部分なので、納品時に業者さんの前で一度取り付けてみて、確認してもらうと安心です。
車のシートに跡が付くので、保護シートを敷きました
ここは、実際に使ってみて気づいた点です。
座位保持タイプのシートを車の座席に直接載せると、座席に跡が付きます。しっかりした作りで重さもあり、同じ位置に載せ続けるためです。
そこでわが家は、チャイルドシート用の保護マットを間に敷くことにしました。数千円で買えるもので、跡が付くのを防げます。車を手放すときやリース・下取りを考えると、先に敷いておくほうが安心です。
選ぶときは、座席の凹み防止になる厚みがあるかと、滑り止めが付いているかを見ておくとよいと思います。厚手のものだと座席の凹みまで防いでくれます。
使ってみて困ったこと|車が2台あると使い回せない
いちばん困ったのはこれです。
本体のサイズが大きいので、車から車へその都度載せ替えるのが現実的ではありませんでした。市販のチャイルドシートでも載せ替えは面倒ですが、姿勢を支えるタイプはさらに大きく重いため、出かけるたびに移し替えるのは無理がありました。
わが家は車が2台あったため、結局2台目も用意することになりました。ただし2台目は補助を使わず、自費で購入しています。
💡いま振り返ると、相談の段階で送迎の実態を具体的に伝えておけばよかったと思います。前述のとおり支給は原則1つで、2つになるのは「職業又は教育上等特に必要」と認められた場合に限られます。認められたとは限りませんが、伝えなければ検討もされません。通学・通所の送迎などで2台を使い分けている方は、その事情を最初に説明してみてください。
保護マットも台数分いるので、こちらも2台分そろえることになりました。
いつまで使う?|ブースターへ卒業した話
わが家は今、車載用の姿勢保持シートを使っていません。
体幹がしっかりしてきて、車の中でも落ち着いて座っていられるようになったため、市販のジュニアシート(ブースター)と車のシートベルトで対応できるようになりました。
専用の用具をすすめられたときは、「これからずっとこれなのかな」と感じたのが正直なところです。でも実際には、必要な時期に必要なものを使い、状態が変われば普通のものに戻っていくという道もありました。
💡経過はお子さんによってさまざまで、長く使い続ける場合もあります。ブースターへ切り替えてよいかどうかは自己判断せず、リハビリの理学療法士(PT)さんや主治医に相談してからにしてください。安全に直結する部分です。
よくある質問
Q. 市販のジュニアシートやブースターではだめなの?
A. 座った姿勢を自分で保てるようになっていれば、市販のもので対応できることもあります。わが家も最終的にはブースターへ切り替えました。ただし市販品には体を支える機能がほとんどないため、姿勢が崩れてしまう段階では安全面で不安があります。切り替えの判断は理学療法士さんや主治医に相談してください。
Q. 18歳を過ぎても補助を受けられる?
A. 2025年4月に新設された「車載用姿勢保持装置」には年齢の制限がありません。以前の「座位保持椅子」は18歳未満が対象でしたが、この点が変わっています。ただし支給の可否は身体の状況や必要性の判断によるため、窓口でご確認ください。
Q. 車が2台ある場合、2つ支給してもらえる?
A. 国の通知では「原則として1種目につき1個」とされ、2個にできるのは「職業又は教育上等特に必要と認めた場合」に限られています。車が2台あるという理由だけで認められるとは限りませんが、通学・通所の送迎などの事情があれば説明の余地があります。判断するのは自治体や更生相談所なので、送迎の実態を具体的に伝えて相談してみてください。なお、わが家の2台目は補助を使わず自費で購入しています。
Q. 取り付けは業者に頼まないといけない?
A. わが家の場合は、座席の後ろでバックルを2か所留めるだけで自分で取り付けられました。ただし製品によって方法は異なり、安全に関わる部分です。納品時に一度業者さんの前で取り付けて、確認してもらうことをおすすめします。
おわりに
チャイルドシートのサイズが合わなくなったとき、「じゃあ次はどうしよう」と迷う時期があります。市販のジュニアシートに移るには姿勢が不安、でも専用のものは高そう——という状態です。
でも実際には、車に乗せるときの姿勢を支える用具は補装具費支給制度の対象で、自己負担は原則1割・上限額つきです。しかも2025年4月からは年齢の制限がなくなり、大人になっても使えるようになりました。
取り付けは思ったより簡単でしたが、車のシートに跡が付くことと、車が2台あると使い回せないことは、事前に知っておきたかった点です。
そして、わが家がそうだったように、ずっと使い続けるとは限りません。今の時期の移動を支えてくれるもの、と気楽に考えてもらえたらと思います。まずは療育やリハビリの先生、市区町村の窓口に相談してみてくださいね。
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※制度・金額に関するご注意
本記事に記載の金額や制度内容は、執筆・更新時点の情報です。金額・条件は年度やお住まいの自治体により異なる場合があります。最新の情報は必ずお住まいの市区町村の窓口や公式サイトでご確認ください。