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座位保持椅子とは?補助金・申請の流れと使ってわかったこと

座位保持椅子とは?補助金・申請の流れと使ってわかったこと

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「うちの子、椅子に座っても横に倒れてしまう」「食事のたびにずり落ちてしまって、ゆっくり食べさせられない」——そんな悩みから、療育やリハビリで座位保持椅子(ざいほじいす)をすすめられることがあります。

わが家でも、療育の場ですすめてもらったことをきっかけに座位保持椅子を作り、実際に使っていました。今は使っていません。体幹がしっかりしてきて、必要がなくなったからです。

この記事では、実際に作って使い、そして卒業するまでを経験した立場から、どんな場面で助かったのか・使ってみて困ったことは何だったのかを正直に書きます。あわせて、費用と補助のしくみ、申請の流れもまとめました。

そしてひとつ大事なお知らせがあります。2025年4月に制度が変わり、「座位保持椅子」という品目名は補装具の一覧からなくなりました。この点は多くのサイトがまだ古い情報のままなので、後半でくわしく解説します。

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座位保持椅子とは?どんな椅子なの

座位保持椅子は、自分の力だけでは座った姿勢を保ちにくいお子さんの体を支えるための椅子です。ひとことで言うと「体が横や前にずれていかないように、身体に合わせて作られた椅子」です。

市販のベビーチェアや学習椅子との違いは、身体に合わせて採寸して作るという点にあります。体格や姿勢の癖に合わせて座面や背もたれの寸法を決め、必要に応じて体を支えるパッドやベルト、前面のテーブル(机)が付きます。

市販の子ども用椅子 座位保持椅子
作り方 既製品からサイズを選ぶ 採寸して身体に合わせて作る
体を支える機能 ほぼない(座面と背もたれのみ) パッド・ベルトなどで体幹や骨盤を支える
調整 できないか、簡易的 成長に合わせて高さなどを調整できる作りが多い
費用 自費 公的な補助の対象になることがある

💡似た名前の用具に「座位保持装置(現在の名称は姿勢保持装置)」があります。こちらはより本格的に姿勢を支えるもので、車椅子と組み合わせて使うタイプもあります。どちらが合うかは身体の状態によるので、リハビリの理学療法士(PT)さんや作業療法士(OT)さんに相談するのが確実です。


使ってよかったこと|食事の場面がいちばん変わった

わが家が座位保持椅子をいちばん使ったのは、食事の場面でした。実際に使ってみて「これは助かった」と感じたことを、3つ挙げます。

① 体が支えられるので、落ち着いて食べられる

いちばん大きかったのはこれです。体が支えられていると、食べることに集中できるのだと実感しました。姿勢を保つこと自体にエネルギーを使わなくて済むぶん、落ち着いて食事の時間を過ごせるようになりました。

② こぼしても付属の机の範囲で収まるので、掃除がラク

これは作る前には想像していなかった効果でした。座位保持椅子には前面に専用の机(テーブル)が付いていて、食材をこぼしても、その机の上でだいたい収まってくれるのです。

床やダイニングテーブルに飛び散る量が明らかに減って、片づけがずいぶんラクになりました。毎日3回のことなので、この差は地味なようで大きかったです。

③ ダイニングテーブルと切り離せるので、家族も落ち着いて食事ができる

座位保持椅子は単体で自立するので、ダイニングテーブルとは別の場所に置くことができます。これによって、介助する側は子どもに向き合って食べさせることに集中でき、ほかの家族はダイニングテーブルで落ち着いて食事ができるという形が作れました。

「家族全員が同じテーブルを囲む」ことにこだわると、かえって全員が落ち着かない食卓になってしまうことがあります。わが家にとっては、いったん場所を分けたほうが、結果的にみんなが穏やかに過ごせたという感覚でした。


使ってわかった「想定外だったこと」

良かったことばかりではありません。使ってみて初めて気づいた点を、正直に書いておきます。これから作る方は、あらかじめ知っておくと心づもりができると思います。

① ストッパーがあっても、自力で移動できてしまうことがある

わが家の椅子には車輪とストッパーが付いていました。それなら動かないだろうと思っていたのですが、床に足が届く状態になると、子どもが器用に足で床を蹴って移動してしまうのです。

ストッパーは「介助者が動かさないためのもの」であって、「子ども自身が動かせないようにするもの」ではないんだな、と後から理解しました。足が床に届く高さになったら、目を離さないほうが安心です。

② 木製で高さ調整できるぶん、ネジが定期的にゆるむ

これがいちばん想定外でした。わが家の椅子は木製で、成長に合わせて高さを調整できる作りになっていました。調整できるということは、それだけネジで留めている箇所が多いということでもあります。

実際に使っていると、ネジが少しずつゆるんできて、定期的に締め直す必要がありました。座るたびに体重がかかり、細かい揺れが加わり続けるので、どうしてもゆるんでいってしまうのだと思います。

しばらくは気づいたときに締め直していたのですが、それだと追いつかないので、最終的にはネジのゆるみ止め剤を使うようにしました。ネジ山に少量つけてから締めるタイプのもので、これを使ってからは締め直しの頻度がぐっと減りました。

わが家で使ったのは中強度タイプのねじゆるみ止め剤です。中強度タイプは工具を使えば外せるので、あとから高さを調整し直したいときにも困りません。使う量はごく少しなので、小さいサイズで十分足ります。

⚠️ゆるみ止め剤には強度の違うタイプがあります。あとから外せなくなると調整ができなくなるので、高さ調整をする箇所に使う場合は、強力すぎないタイプを選ぶのがおすすめです。心配なときは、作ってくれた製作業者さんに「ゆるみ止めを使っても大丈夫か」を確認してみてください。

③ 置き場所をとる

身体を支えるためにしっかりした作りになっているぶん、市販の子ども用椅子よりも大きく、場所をとります。使う場所(ダイニングの近くなど)に置いたままにできるかどうか、作る前に部屋の中をイメージしておくと安心です。


【重要】2025年4月に品目名が変わりました

ここからは制度の話です。「座位保持椅子」で検索すると古い情報が多く出てくるので、この点はぜひ知っておいてください。

座位保持椅子は長いあいだ、補装具費支給制度の中の「障害児だけが対象になる品目」として定められていました。ところが、2025年(令和7年)4月1日から、補装具の品目一覧に「座位保持椅子」という名前がなくなりました。「頭部保持具」も同時になくなっています。

国の告示(品目と金額を定めているルール)を新旧で比べると、変更点ははっきりしています。

2024年度まで 2025年4月以降
座位保持椅子 品目としてあり(障害児のみ) 品目一覧から削除
頭部保持具 品目としてあり(障害児のみ) 品目一覧から削除
車載用姿勢保持装置 なし 新設(上限69,900円・耐用年数3年)
座位保持装置 「姿勢保持装置」へ名称変更済み 姿勢保持装置

なぜこうなったかというと、座位保持椅子が実際には「車に乗せるときの姿勢を支える用具」として支給されている例が多かったためです。そこで車に載せるタイプを「車載用姿勢保持装置」として独立させ、あわせて18歳未満という年齢のしばりをなくしたという整理になっています。

車に乗せるときの姿勢を支える用具については、別記事でくわしくまとめています。年齢の制限がなくなったのはこの品目です。

では、家の中で使う椅子はどうなるの?

家庭内で使う姿勢を支える椅子については、「姿勢保持装置」(旧・座位保持装置)として相談していく形になります。成人になると姿勢保持装置で支給される運用だったものを、年齢で分けずに統一した、という考え方です。

⚠️ここは制度の考え方を整理した内容で、「家庭用の椅子は必ず姿勢保持装置になる」と決まっているわけではありません。実際にどの品目で申請するかは、身体の状態と使う目的によって窓口・判定機関が判断します。迷ったら、まずは窓口で「姿勢を支える椅子を作りたい」と用途から伝えるのが確実です。

窓口の資料が古いままのことがあります

この改正はまだ新しいため、自治体が公開している品目の一覧表に、今も「座位保持椅子(児のみ)」が載ったままになっているケースがあります。実際に、2025年4月時点と書かれた一覧表に旧品目が残っている自治体を確認しました。

ですので、窓口で「座位保持椅子をお願いしたい」と伝えて話が通じることもあれば、担当の方が新しい品目名で案内してくることもあります。名前にこだわらず、「座った姿勢を支える椅子が必要」という用途を伝えるのがいちばん確実です。


費用と補助のしくみ

身体に合わせて作るものなので、全額自費だと数万円〜となることが一般的です。ただし、補装具費支給制度の対象になれば自己負担は原則1割で、さらに世帯の所得に応じた月額の負担上限額が設けられています。

わが家の場合も、金額の詳細は覚えていないのですが、補助を使って自己負担は1割の上限の範囲内でおさまりました。「オーダーメイドの椅子」と聞いたときに身構えた金額とは、まったく違う負担で済んだという記憶があります。

制度の全体像と、負担上限額の考え方については、こちらの記事でくわしく解説しています。

💡18歳未満のお子さんについては、補装具費支給制度の所得制限が撤廃されています。以前は所得によって全額自己負担になるケースがありましたが、現在は上限額の範囲で利用できます。


どうやって選んだか|展示会で実物に座らせてもらう

ここは、これから作る方にいちばん伝えたいところです。

わが家は、福祉用具の展示会に行って、実物に実際に座らせてもらって選びました。カタログの写真や説明だけで決めるのではなく、その場で座らせてみて、支えられ方や大きさを確かめたということです。

身体に合わせて作るものなので、「作ってみたら思っていたのと違った」となっても簡単には作り直せません。先に実物を試せる機会があるなら、使わない手はないと思います。

実物を見るときにチェックしておくとよいこと

わが家が使ってみて「先に見ておけばよかった」と感じた点も含めて挙げます。

  • 座らせたときの支えられ方:横に倒れないか、前にずり落ちないか。実際に座らせてみないとわかりません
  • 付属の机(テーブル)の大きさと高さ:食事で使うなら、こぼしたものが受け止められる広さがあるか
  • 調整できる箇所とその方法:高さの調整がどのくらいの範囲でできるか、ネジで留める構造か
  • 車輪とストッパーの仕様:足が床に届く高さになったときに、子ども自身が動かせてしまわないか
  • 置いたときの大きさ:ダイニングの近くに置いたままにできるサイズか

💡展示会は、業者さんや義肢装具士さんに直接その場で質問できるのも大きなメリットです。療育やリハビリの先生に「近くで展示会はありませんか」と聞いてみると、情報を持っていることがあります。


申請から届くまでの流れ(わが家は約2か月)

わが家は療育の場ですすめてもらったことがきっかけで作りました。自分で調べて申請したというより、療育で「こういう椅子がありますよ」と教えてもらって話が進んだという流れです。

大まかな手順は次のようになります。

  • ①相談:療育・リハビリの専門職(PT・OT)や、市区町村の障害福祉課の窓口に相談する

  • ②医師の意見書・処方:必要性についての意見書や処方を医師に書いてもらう

  • ③採寸・見積り:製作業者が身体を採寸し、見積書や設計図を作成する

  • ④申請:見積書などをそろえて自治体に申請する

  • ⑤判定・支給決定:判定を経て、自治体から支給決定の通知が届く

  • ⑥製作・納品:製作して納品。業者が代理受領する方式が一般的で、窓口では自己負担分のみ支払うケースが多いです

わが家では、申請してから手元に届くまでおおよそ2か月ほどかかりました。採寸して一から作るものなので、思い立ってすぐ使えるわけではありません。「入学までに」「進級までに」といった目標があるなら、2〜3か月は前倒しで動き始めるのが安心だと思います。

⚠️先に自費で購入・製作してしまうと、原則として補助の対象外になります。補助を使いたい場合は、必ず申請→支給決定のあとに製作の手続きを進めてください。


いつまで使う?|卒業した話

最後に、いちばん書きたかったことを書かせてください。

わが家は今、座位保持椅子を使っていません。体幹がしっかりしてきて、支えがなくても座っていられるようになったからです。

すすめられたとき、正直に言うと少し重たい気持ちになりました。「専用の椅子が必要な状態なんだ」と突きつけられたような気がしたからです。でも実際には、必要な時期に必要なものを借りていた、という感覚に近いものでした。

身体の状態は変わっていきます。座位保持椅子は「これからずっと使い続けるもの」ではなく、「今この時期の食事や生活を支えてくれるもの」と考えてもらえたらと思います。

💡もちろん経過はお子さんによってさまざまで、長く使い続ける場合もあります。見通しについては、リハビリの理学療法士さんや主治医に相談してみてくださいね。


よくある質問

Q. 2025年に品目がなくなったということは、もう作れないの?

A. 姿勢を支える椅子が作れなくなったわけではありません。品目の整理が行われ、車に載せるタイプは「車載用姿勢保持装置」、それ以外は「姿勢保持装置」といった形で相談していくことになります。実際にどの品目になるかは身体の状態と使う目的によって判断されるため、窓口では品目名ではなく「座った姿勢を支える椅子が必要」と用途で伝えるのが確実です。

Q. 市販の子ども用椅子ではだめなの?

A. 姿勢の崩れが軽い場合は市販品やクッションで足りることもあります。ただし市販の椅子は体を支える機能がほとんどないため、横に倒れる・前にずり落ちるといった状態が続くようなら、専門職に相談して身体に合わせたものを検討する価値があります。どちらが合うかは理学療法士(PT)さんや作業療法士(OT)さんに相談してみてください。

Q. 申請してからどれくらいで届く?

A. わが家の場合は申請から手元に届くまで約2か月でした。採寸して製作するものなので時間がかかります。自治体の手続きや業者の状況によっても変わるため、時期の目標があるなら早めに動き始めることをおすすめします。

Q. 成長して合わなくなったら、作り直せる?

A. 補装具には耐用年数の目安がありますが、子どもの成長で適合しなくなった場合は、耐用年数内でも再申請が認められることがあります。まずは窓口や製作業者に相談してみてください。

Q. 使い始めたあと、メンテナンスは必要?

A. わが家の椅子は木製で高さ調整ができるタイプだったため、ネジが定期的にゆるんできて締め直しが必要でした。最終的にはネジのゆるみ止め剤を使って頻度を減らしました。作りによって異なるので、納品時に「どこを定期的に点検すればよいか」を業者さんに聞いておくと安心です。


おわりに

座位保持椅子は、体を支えてくれることで食事の時間そのものを変えてくれる用具でした。落ち着いて食べられるようになり、こぼしても片づけがラクになり、そして家族もそれぞれ落ち着いて食事ができるようになりました。

一方で、ストッパーがあっても足で移動してしまうことや、ネジが定期的にゆるむことなど、使ってみて初めてわかることもありました。こうした点は事前に知っておくだけで、ずいぶん気がラクになると思います。

そして制度の面では、2025年4月に品目名が整理され、「座位保持椅子」という名前は補装具の一覧からなくなりました。ネット上にも自治体の資料にも古い情報が残っているので、窓口では品目名ではなく「座った姿勢を支える椅子が必要です」と用途から相談するのがおすすめです。

姿勢のことで悩んでいる方は、まず療育やリハビリの先生に「うちの子、座る姿勢を支える椅子って作れますか?」と聞いてみてくださいね。


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※制度・金額に関するご注意
本記事に記載の金額や制度内容は、執筆・更新時点の情報です。金額・条件は年度やお住まいの自治体により異なる場合があります。最新の情報は必ずお住まいの市区町村の窓口や公式サイトでご確認ください。

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