障害児家庭のお金と手続き完全ロードマップ|0歳から親なきあとまで
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障害のある子どもの支援制度は、たくさんあります。ただ、一番の問題は「制度が足りないこと」ではなく、どの制度を・いつ・どの順番で使えばいいのかが、どこにも一枚の地図としてまとまっていないことだと感じています。
手帳、手当、就学、18歳、20歳、そして親なきあと——。節目のたびに使える制度がガラッと入れ替わるのに、役所が先回りして教えてくれることはほとんどありません。障害児の支援制度は「申請しないともらえない」申請主義だからです。
この記事は、障害のある子を育てるわが家が実際に手帳取得・手当申請・就学相談を経験するなかで「最初にこの全体像が欲しかった」と思った内容を、0歳から親なきあとまでの時系列ロードマップとして1本にまとめたものです。ブックマークしておいて、お子さんの節目ごとに該当ステージを読み返す、という使い方を想定しています。
まずは「現在地」をチェックしませんか?
お住まいの地域と手帳の等級を選ぶだけで、今のお子さんが対象になりそうな手当・減税・割引の目安がまとめてわかります(全国対応)。
1分でチェックする →- まずは全体マップ|年齢で制度はこう変わる
- ステージ1(0歳〜):診断・手帳の取得
- ステージ2:手当と減税の申請ラッシュ
- ステージ3(5〜6歳):就学先を決める
- ステージ4(学齢期):家計の土台を固める
- ステージ5(18歳):「18歳の壁」を越える
- ステージ6(20歳):障害基礎年金へ切り替え
- ステージ7:「親なきあと」に備える
- 全ステージ共通の鉄則
- よくある質問
まずは全体マップ|年齢で制度はこう変わる
細かい制度に入る前に、全体像を1枚の表にします。ポイントは「18歳」と「20歳」の2つの区切りです。ここで中心となる制度と、お金を受け取る人(保護者→本人)が入れ替わります。
| 時期 | 主な手続き・制度 | 受け取る人 |
|---|---|---|
| 0歳〜(診断前後) | 療育手帳・身体障害者手帳の取得、医療費助成、障害者控除 | 保護者 |
| 手帳取得後 | 特別児童扶養手当・障害児福祉手当・自治体独自手当 | 保護者 |
| 5〜6歳 | 就学相談、就学先の決定、就学奨励費 | 保護者 |
| 学齢期 | 放課後等デイサービス、家計・働き方の見直し | 保護者 |
| 18歳 | 「18歳の壁」:児童福祉→障害者福祉へ制度切り替え | 保護者 |
| 20歳 | 障害基礎年金・特別障害者手当(特児手当は終了) | 本人 |
| 並行して | 心身障害者扶養共済、成年後見制度・遺言など「親なきあと」の備え | 本人 |
それでは、ステージごとに「やること」を見ていきます。
ステージ1(0歳〜):診断・手帳の取得
すべての入口は障害者手帳(療育手帳・身体障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳)です。手当も割引も減免も、多くの制度が手帳の有無・等級で判定されるため、迷ったらまず手帳の取得から検討するのが近道です。
手帳を取得したら、このステージで併せて確認しておきたいのが次の2つです。どちらも金額のインパクトが大きい割に、見落とされがちです。
- 医療費助成:重度心身障害者医療費助成制度で医療費の自己負担が大きく軽くなります
- 障害者控除:年末調整・確定申告で申告するだけで所得税・住民税が軽くなります。申告しないと1円も戻りません
ステージ2:手当と減税の申請ラッシュ
手帳が手元に来たら、いよいよ手当の申請です。障害児向けの現金給付は「国の手当2つ+自治体独自の手当」の三段重ねになっています。
- 【手当②】障害児福祉手当:特に重度のお子さんが対象の上乗せ手当
- 【手当③】市町村独自の福祉手当:住んでいる自治体によって金額が変わる、一番見落とされやすい手当
- 所得制限の「所得」とは?年収換算と計算方法:共働きでも合算ではなく、収入が高い方の親1人分で判定されます
このほか、療育手帳で受けられる17の支援一覧や日常生活用具の給付制度など、現金給付以外の支援もこの時期にまとめて確認しておくと取りこぼしが減ります。
ステージ3(5〜6歳):就学先を決める
年中〜年長になると、就学相談が始まります。普通級・通級・支援級・支援学校のどれを選ぶかは、その後の学校生活だけでなく、就学奨励費などのお金の支援にも関わる大きな分岐点です。
- 特別支援教育就学奨励費:学用品や給食費などの一部が補助されます
- 放課後等デイサービスの選び方(見学チェックリスト付き)
ステージ4(学齢期):家計の土台を固める
学齢期は生活が少し安定する一方、送迎や通院でフルタイム勤務がむずかしく「収入を増やす」に限界がある時期でもあります。だからこそ、この時期にやる価値が大きいのが固定費の見直しです。一度手続きすれば効果がずっと続きます。
- 育児・介護休業法を使って「残業なし」で働く方法
- 車の維持費を安くする3つの見直しポイント:送迎・通院で車が必需品の家庭ほど効果大
- 子どもが壊した家電・家具は火災保険で補償されることも:物を壊しやすいお子さんのいる家庭は要チェック
- 光回線の選び方|月額・機器・オプションで失敗しない
- 受け取った手当を新NISAで運用したら?15年シミュレーション
もうひとつ、この時期に確認しておきたいのが火災保険の「家財」の補償です。お子さんが割ってしまった窓ガラスや、落として壊した家電・テレビは、家財補償や破損・汚損の特約が付いていれば対象になることがあります。
まずは今の証券を見て、家財補償が付いているかを確認してみてください。付いていない場合や保険料が気になる場合は、複数社をまとめて比較すると判断がつけやすくなります。
ステージ5(18歳):「18歳の壁」を越える
18歳になると、児童福祉法の対象から外れ、放課後等デイサービスなど「児童」向けのサービスが使えなくなります。制度が大人向けの障害者福祉に切り替わる、いわゆる「18歳の壁」です。特別児童扶養手当は20歳まで続きますが、周辺の支援は18歳で大きく入れ替わるため、高等部在学中から準備しておくと安心です。
ステージ6(20歳):障害基礎年金へ切り替え
20歳で特別児童扶養手当は終了し、代わって本人が受け取る「障害基礎年金」が生活の柱になります。障害基礎年金は20歳の誕生日の前日から請求でき、手続きには診断書などの準備に時間がかかるため、19歳のうちから動き始めるのがおすすめです。
ステージ7:「親なきあと」に備える
最後のステージは、年齢に関係なく親が元気なうちから並行して準備しておきたいテーマです。中心になるのは、親が掛金を払っておくと、親が亡くなったあとに子どもへ終身年金が支払われる心身障害者扶養共済制度(しょうがい共済)です。
ただし、「親なきあと」の備えはお金を用意するだけでは終わりません。本人がひとりで契約や預金の管理をするのが難しい場合、そのお金を「誰が管理するのか」という、もう一つの問題が残るからです。ここで関わってくるのが成年後見制度や遺言です。
全ステージ共通の鉄則
どのステージにも共通する鉄則は、次の3つです。
- 制度は申請しないともらえない。役所は原則、先回りして教えてくれません(申請主義について詳しくはこちら)
- 節目の1年前から準備する。就学相談・18歳・20歳の手続きは、直前に始めると書類集めで慌てます
- 迷ったら窓口で「他に使える制度はありますか?」と聞く。この一言で教えてもらえる制度が意外とあります
よくある質問
Q. 何から始めればいいですか?
まずは障害者手帳の取得(または取得の相談)です。多くの手当・割引は手帳の有無と等級で決まるため、手帳がすべての入口になります。手帳が手元にある方は、当サイトの手当シミュレーターで対象になりそうな制度を一覧で確認してから窓口に行くと、聞き漏らしを減らせます。
Q. 申請を忘れていた手当は、さかのぼって受け取れますか?
特別児童扶養手当をはじめ多くの手当は、原則「申請した翌月分から」の支給で、過去の分はさかのぼって受け取れないことがほとんどです。「対象かもしれない」と思った時点で、早めに窓口へ相談することをおすすめします。
Q. 引っ越すと、もらえるお金は変わりますか?
国の手当(特別児童扶養手当・障害児福祉手当)は全国共通ですが、自治体独自の福祉手当や医療費助成は市区町村によって内容が大きく異なります。引っ越しの予定がある方は、転居先の自治体の制度を事前に確認しておくと安心です。
各ステージの詳しい手続きは、リンク先の個別記事にまとめています。この記事をブックマークしておいて、お子さんの節目ごとに「次のステージ」を確認する形で使っていただけたら嬉しいです。
※制度・金額に関するご注意
本記事に記載の金額や制度内容は、執筆・更新時点の情報です。金額・条件は年度やお住まいの自治体により異なる場合があります。最新の情報は必ずお住まいの市区町村の窓口や公式サイトでご確認ください。